海老名市の農業補助金問題とはなにか
終わっていない農業補助金不正問題
海老名市の農業補助金の問題は、まだ終わっていません。
ご存じのない方や改めてなにがあったのかお知りになりたい方は、以下の動画をご覧いただくのがわかりやすいかと思います。
農家への補助金ずさん交付で職員6人懲戒処分 海老名市 支給38件すべてで改ざん【グッド!モーニング】(2026年8月21日)
テレビ朝日が取材をして全国で報じられました。
はじめに、「まだ終わっていない」と書いたのは、職員の処分と市長、副市長の減給3か月をしたことで、市は一区切りついたとして幕引きを図ろうとしているからです。
まだ終わっていないどころか、9月議会で新たに分かったこともあり(市が隠していたこと)、調査を事実を明らかにすることが必要です。
市は、監査委員の随時監査結果と市の内部調査の結果に相違がないため、第三者調査は必要ないとの考えを一貫して崩していません。
しかし、そもそも随時監査は財務監査であり、市全体のコンプライアンス問題や、補助金事業そのものの評価や指摘はしているものの調査はしていません。
監査結果をなぞれば「相違がない」のは当たり前のことです。
市がやるべきことは、「財務」を超えた調査で、なぜ起きたかの原因究明と不正の実態です。
監査報告と相違があるかないかではありません。
なぜ、組織的に文書を改ざんし、つじつま合わせをしなければならなかったのか、なぜ対象年度以外の車両にまで補助金を支出しなければならなかったのか、職員が良くないことだと思ったというのはどの部分なのか、断り切れなかったのはどういう内容についてなのかーー
一つ一つの事実を明らかにし、責任の所在をはっきりさせて、繰り返さないための方策を探ることです。
原因究明こそ、必要です。
しかし、申請した農業者に責任はなく、すべて職員のやったことーーとして、申請者には聞き取りをしていません。
悪いのは全部、農政課なのか?
▼対象年度以外に購入した車両は2件
農業振興対策事業補助金(集出荷車両更新事業)に係る随時監査結果を踏まえた調査結果
8月20日に議員全員協議会で、報告がありました。
その時の説明を聞いても、報告書を読んでも、なぜ起きたのか、事実関係がつかめないものでした。
対象年度以外の車両購入に対して補助金を出していたこともわかっており(返還されています)、なぜ補助金を支出したか曖昧なままです。
農業者から、求めはなかったと言いますが、対象年度以外に購入したの車両は2件あるうち、職員は1件は知っていて1件は知らなかったーとも。
よくわからない回答のため、一般質問で改めて聞くと、市の職員が対象年度ではないことを言えなかったということが明らかになりました。
組織として事実を伝えることができなかったことについて、もっと踏み込んだ調査をすべきだと思います。
対象年度以外の車両なのに補助金交付を決定したのか、そのことを重く受け止め、職員、農業者など関係者への聞き取りを丁寧に行い、明らかにしなければならないはずです。
▼何を断り切れなかったのか?
監査結果には職員の聞き取りの中で、「断りきれなかった」との発言があったと書いています。
さらに、市の調査報告書にも、職員が農業者からの要望や相談を明確に断れなかったと書いています。
しかし、8月20日の議員全員協議会の場で、何を断りきれなかったのかを質問すると「職員の言い訳」との答弁がありました。
とても悲しく残念な発言でした。
言い訳だと思うなら、報告書になぜ書いたのか?その証言自体が嘘なのか?
そうであるならば、報告書の内容と議会に対して行った説明との間に食い違いがあります。
もし、言い訳のために監査委員に「断りきれなかった」というのであれば、重大な齟齬であり、徹底調査が必要です。
そもそも、市の調査報告書にも職員が断れなかったとを書いているのに、そのことを問われると言い訳だというのは納得できるものではありません。
▼対等ではない職員と農業者との関係性
確かに、文書改ざんを行った農政課の責任は非常に重いものです。
要綱の不備や申請を順次受け付けていなかったこと、申請者に申請書の日付を記入させないようにしていたこと、申請書類がすべてそろってから一斉に補助金を支出しようとしていたなどこと、あり得ない事務処理がありました。
これだけ見ても、意識しているか否かにかかわらず組織的に不適切な事務処理をしようとしていたことがわかります。
しかし、職員と農業者との関係が対等とは言えない状況であったことも見えてきました。
9月議会の一般質問の中で一斉に補助金を支出し改ざんした背景について、
以前別の補助金のときに農業者から、補助金の支払日が違うことで「なんで俺のところに来ないのか」と文句があったため、一斉に補助金を交付したいという気持ちがあったー
と市長は述べています。
(2026年9月15日さの議員の一般質問時の市長答弁)
農業者の過去の発言で、制度をゆがめるような事務処理をしたのが事実であれば、重大です。
その後、9月25日の決算審査の中で、担当課からも、過去の農業者の発言が一定の影響があったことが示されました。
農業者からの発言によって職員がプレッシャーを感じていたということを、報告書に記載し、その理由を掘り下げていくことが再発防止には不可欠です。
▼市長の関与と影響は?
農政課は、この補助金の案内を「認定農業者」54件にだけ郵送しており、ホームページ等でも知らせていませんでした。
一方で、市長は「トップセールス」として、農業者の会合等で積極的にPRをしています。
補助金要綱の中では、「認定農業者」や「認定農業者に準じる」方を対象にしていながら、その定義を要綱の中ではっきりとさせておらず、曖昧です。
農政課職員は、予算が足りなくなることを気にしていたとも市から説明がありました。
農政課職員は対象者を狭め、予算が足りなくなることを気にしていた一方で、市長は認定農業者であるか関係なく広く周知をしていたということです。
重要なのは、市長自身が自分の行動がプレッシャーになっていたことを反省していることです。
そうであれば、市長はいつ、どこで、どのようなかたちで補助金を知らせていたのか、個別にも働きかけていたのかなど明らかにする必要があるはずです。
しかし、市長の言動については調査をしていません。
職員が行った文書改ざんは大問題ですが、その背景に踏み込まなければ、全容究明はできませんし、責任の所在も明らかになりません。
全容究明をするつもりがあるならば、市長や農業者に対しても聞き取りを行い、職員がプレッシャーを感じていたことも含め明らかにすべきだと思います。
事実を隠した市の内部調査報告書
▼情報公開請求で新たな事実が明らかに
9月議会での一般質問に向け、情報公開請求を行いました。
説明を聞くだけではなく、自分で調べなければ実態を掴めないと感じたからです。
本題からは少し逸れますが、海老名市の「議員調査」は、市が資料として作成していないものに限定しています。
他市の議会では、市民に保障された情報公開請求と同等の資料請求を議員調査ででき、議会の質問に備えることができます。
しかし、海老名市議会では11年ほど前から(市長が4期目になった直後から)、それが議員の特権だということで(当時私は抵抗しましたが、ほかの議員や行政側もそのように言っていたと記憶しています。)資料が議員調査では出してもらえず、市民と同様に情報公開請求をしなければならなくなりました。
情報公開請求は、14日以内に公開しなければなりませんが、2週間いっぱいかかることもままあり、さらに延長されることもあるため、議会質問に間に合わないことも多くあります。
話を戻します。
私は、内部調査報告書だけでは実態が明らかになっていないと感じ、情報公開請求を行いました。
そのうちのひとつが、「決裁文書のログ」です。

海老名市では、起案や決裁を「文書管理システム」で行っています。紙を打ち出し、ハンコを押す方法ではなく、パソコン上で行っています。
そのため、システムの記録(ログ)が残り、実際に作業をした日がわかるようになっています。
左の写真が決裁文書のログの写真で、右側が起案用紙です。
左の写真の付箋に「交付決定」「額の確定」とあります。
左端の日付2026/05/07~2026/05/21とありますが、上二つが交付決定した日の最も早い日と遅い日です。
下ふたつが、額の決定が行われた日の最も早い日と遅い日です。
システムのログを確認すると、
補助金の交付決定した日は2026年5/7~5/15
申請者が提出した実績報告書に基づいて金額を確定した日は2026年5/19~5/21
になります。
しかし、市の内部調査報告書では
補助金の交付決定した日は、3/18「付」
補助金額を確定した日は、3/31「付」
となっています。
3月18日に交付決定が行われため、申請書類に添付していた領収書等もそれにあわせて改ざんされたようですが、そもそも交付決定が3月18日というのが虚偽の日付だったのです。
調査報告書作成時でも、交付決定日が5月に入っていてからだとわかっていながら、明らかにしなかったということになります。
財務部長は「隠ぺいするつもりはなかった」答弁しましたが、隠していたことは事実です。
市長室長は、聞かれたら答えているーと言っていますが、すべてを明らかにするのが調査報告書であり、情報を出すか出さないかの裁量は、不適切事務処理を組織的に行った市側にはないはずです。
この期に及んで、情報を出さない姿勢は不誠実であり、すべてを明らかにしようとしていないと言わざるを得ません。
▼交付決定は年度内にしなければならない
実際の事務処理日(決裁)は、5月に行われていたにもかかわらず、「3月18日」という虚偽の日付を使ったのは、交付決定は年度内に完了しなければならないからだと推察されます。
一般質問で、財務部長はそのことを認め、年度を超えた「出納整理期間」(会計年度終了後の4月1日から5月31日までの2か月間に、前年度分の入金と出金ができる期間)の交付決定は不適切であると答弁しました。
不適切であると知りながら、事実を明らかにしようとしていないことこそ、海老名市の根深い問題であり、この問題が終わっておらず、調査をしなければならないことを裏付けていると思います。
そして、行政職員なら、「出納整理期間」の意味も、年度を超えた交付決定はしてはいけないこともわかっているはずです。
わかった上で、「3月18日」という嘘の日付でつじつまを合わせ、会計管理者も、文書法制部門も、不正な事務処理と支出を止められなかったことを、重く受け止め、真摯に向き合うべきです。
▼押されてしまった公印
市の内部調査報告書には、「公印を押した」部署の責任問題については一切触れられていません。
「3月18日付」の文書が5月中頃に回ってきたにもかかわらず、文書法制課は公印を押しています。
法令に最も明るく、厳しいチェックをするはずの文書法制課が、5月中に文書が回ってきたにもかかわらず、3月18日付で公印承認をして、押印しています。
私はこのことを問題視して、質問すると市長室長は行政文書管理規定では「緊急の場合は、起案文書によらずに決定ができる」と答弁しました。
これでは、今回のケースは緊急であり、起案文書は後回しで決定した―と聞こえます。
しかし、実際は9月25日の決算委員会の中で(森議員の質問)、今回のケースは「緊急の場合と認識していなかった」と答弁しました。
当局側のその場しのぎの答弁が目立ちます。
公印を押すという行為は重いものであり、その責任についても明確にする必要があると思います。
▼補助金支出に問題がなかったと言えるのか?
そもそも市は、事務の遅延がなければ問題なく補助金は支出できたと答弁しています。
しかし、補助金要綱の補助条件に「災害時協力車両の登録」と明記されているにもかかわらず、2026年3月31日現在で、登録車両はわずか2台。
さらには、対象年度以外の車両や、下取り価格を引いていない車両など、不正なものがあり申請書類のチェックができていなかったのです。
要綱に照らし合わせれば、補助要件を満たしていないものが多くあり、問題なく補助金が支出できたと言うことに無理があります。
先ほども書いた通り、対象年度ではない車の購入を補助金は申請できないと言えなかった背景をしっかりと調査しなければなりません。
職員が、法令を遵守し、公正な判断ができるようにするためにも、内部調査だけではなく、もっと踏み込んだ調査が必要です。
情報を整理し、更なる調査を

上の写真は、涼風の会で事実関係を整理したものです。
市の調査報告に書かれておらず9月議会で明らかになったことが多くあり、改めて調査報告書を出しなおすことを求めています。
しかし市は、調査報告書はすべてを書いているわけではない、聞かれてたら答えていると開き直っています。
交付決定日や額の確定日が実際の処理日と違うことについて質問しても、『「3月18日」とは書いていない「3月18日付」と書いている』という、ふてぶてしい態度です。(9月25日経済建設分科会ありい議員の質問答弁)
調査報告書に「3月18日付」と書いていたら、誰もが3月18日に交付決定したと思うはずです。
“付”と書いているから、本当は別の日に違いない、年度を超えているに違いないーーと思う人がいるというのでしょうか。
報告書に事実を記載しなかったことを詫び、第三者を入れて徹底調査をすること、それが今できる海老名市の誠意ある対応であると思います。
議会の調査権を使った「100条委員会」の設置なども模索していきたいですが、どうなるか…
でも、できることをやっていきたいと思います。
9月30日には、再発防止に向けた取り組みについて、市から説明があります。
繰り返さないためにも、徹底調査が必要です。
終わらせないように、引き続きチェックし、発信していきたいと思います。
海老名市の農業補助金の問題は、まだ終わっていません。
ご存じのない方や改めてなにがあったのかお知りになりたい方は、以下の動画をご覧いただくのがわかりやすいかと思います。
農家への補助金ずさん交付で職員6人懲戒処分 海老名市 支給38件すべてで改ざん【グッド!モーニング】(2026年8月21日)
テレビ朝日が取材をして全国で報じられました。
はじめに、「まだ終わっていない」と書いたのは、職員の処分と市長、副市長の減給3か月をしたことで、市は一区切りついたとして幕引きを図ろうとしているからです。
まだ終わっていないどころか、9月議会で新たに分かったこともあり(市が隠していたこと)、調査を事実を明らかにすることが必要です。
市は、監査委員の随時監査結果と市の内部調査の結果に相違がないため、第三者調査は必要ないとの考えを一貫して崩していません。
しかし、そもそも随時監査は財務監査であり、市全体のコンプライアンス問題や、補助金事業そのものの評価や指摘はしているものの調査はしていません。
監査結果をなぞれば「相違がない」のは当たり前のことです。
市がやるべきことは、「財務」を超えた調査で、なぜ起きたかの原因究明と不正の実態です。
監査報告と相違があるかないかではありません。
なぜ、組織的に文書を改ざんし、つじつま合わせをしなければならなかったのか、なぜ対象年度以外の車両にまで補助金を支出しなければならなかったのか、職員が良くないことだと思ったというのはどの部分なのか、断り切れなかったのはどういう内容についてなのかーー
一つ一つの事実を明らかにし、責任の所在をはっきりさせて、繰り返さないための方策を探ることです。
原因究明こそ、必要です。
しかし、申請した農業者に責任はなく、すべて職員のやったことーーとして、申請者には聞き取りをしていません。
悪いのは全部、農政課なのか?
▼対象年度以外に購入した車両は2件
農業振興対策事業補助金(集出荷車両更新事業)に係る随時監査結果を踏まえた調査結果
8月20日に議員全員協議会で、報告がありました。
その時の説明を聞いても、報告書を読んでも、なぜ起きたのか、事実関係がつかめないものでした。
対象年度以外の車両購入に対して補助金を出していたこともわかっており(返還されています)、なぜ補助金を支出したか曖昧なままです。
農業者から、求めはなかったと言いますが、対象年度以外に購入したの車両は2件あるうち、職員は1件は知っていて1件は知らなかったーとも。
よくわからない回答のため、一般質問で改めて聞くと、市の職員が対象年度ではないことを言えなかったということが明らかになりました。
組織として事実を伝えることができなかったことについて、もっと踏み込んだ調査をすべきだと思います。
対象年度以外の車両なのに補助金交付を決定したのか、そのことを重く受け止め、職員、農業者など関係者への聞き取りを丁寧に行い、明らかにしなければならないはずです。
▼何を断り切れなかったのか?
監査結果には職員の聞き取りの中で、「断りきれなかった」との発言があったと書いています。
さらに、市の調査報告書にも、職員が農業者からの要望や相談を明確に断れなかったと書いています。
しかし、8月20日の議員全員協議会の場で、何を断りきれなかったのかを質問すると「職員の言い訳」との答弁がありました。
とても悲しく残念な発言でした。
言い訳だと思うなら、報告書になぜ書いたのか?その証言自体が嘘なのか?
そうであるならば、報告書の内容と議会に対して行った説明との間に食い違いがあります。
もし、言い訳のために監査委員に「断りきれなかった」というのであれば、重大な齟齬であり、徹底調査が必要です。
そもそも、市の調査報告書にも職員が断れなかったとを書いているのに、そのことを問われると言い訳だというのは納得できるものではありません。
▼対等ではない職員と農業者との関係性
確かに、文書改ざんを行った農政課の責任は非常に重いものです。
要綱の不備や申請を順次受け付けていなかったこと、申請者に申請書の日付を記入させないようにしていたこと、申請書類がすべてそろってから一斉に補助金を支出しようとしていたなどこと、あり得ない事務処理がありました。
これだけ見ても、意識しているか否かにかかわらず組織的に不適切な事務処理をしようとしていたことがわかります。
しかし、職員と農業者との関係が対等とは言えない状況であったことも見えてきました。
9月議会の一般質問の中で一斉に補助金を支出し改ざんした背景について、
以前別の補助金のときに農業者から、補助金の支払日が違うことで「なんで俺のところに来ないのか」と文句があったため、一斉に補助金を交付したいという気持ちがあったー
と市長は述べています。
(2026年9月15日さの議員の一般質問時の市長答弁)
農業者の過去の発言で、制度をゆがめるような事務処理をしたのが事実であれば、重大です。
その後、9月25日の決算審査の中で、担当課からも、過去の農業者の発言が一定の影響があったことが示されました。
農業者からの発言によって職員がプレッシャーを感じていたということを、報告書に記載し、その理由を掘り下げていくことが再発防止には不可欠です。
▼市長の関与と影響は?
農政課は、この補助金の案内を「認定農業者」54件にだけ郵送しており、ホームページ等でも知らせていませんでした。
一方で、市長は「トップセールス」として、農業者の会合等で積極的にPRをしています。
補助金要綱の中では、「認定農業者」や「認定農業者に準じる」方を対象にしていながら、その定義を要綱の中ではっきりとさせておらず、曖昧です。
農政課職員は、予算が足りなくなることを気にしていたとも市から説明がありました。
農政課職員は対象者を狭め、予算が足りなくなることを気にしていた一方で、市長は認定農業者であるか関係なく広く周知をしていたということです。
重要なのは、市長自身が自分の行動がプレッシャーになっていたことを反省していることです。
そうであれば、市長はいつ、どこで、どのようなかたちで補助金を知らせていたのか、個別にも働きかけていたのかなど明らかにする必要があるはずです。
しかし、市長の言動については調査をしていません。
職員が行った文書改ざんは大問題ですが、その背景に踏み込まなければ、全容究明はできませんし、責任の所在も明らかになりません。
全容究明をするつもりがあるならば、市長や農業者に対しても聞き取りを行い、職員がプレッシャーを感じていたことも含め明らかにすべきだと思います。
事実を隠した市の内部調査報告書
▼情報公開請求で新たな事実が明らかに
9月議会での一般質問に向け、情報公開請求を行いました。
説明を聞くだけではなく、自分で調べなければ実態を掴めないと感じたからです。
本題からは少し逸れますが、海老名市の「議員調査」は、市が資料として作成していないものに限定しています。
他市の議会では、市民に保障された情報公開請求と同等の資料請求を議員調査ででき、議会の質問に備えることができます。
しかし、海老名市議会では11年ほど前から(市長が4期目になった直後から)、それが議員の特権だということで(当時私は抵抗しましたが、ほかの議員や行政側もそのように言っていたと記憶しています。)資料が議員調査では出してもらえず、市民と同様に情報公開請求をしなければならなくなりました。
情報公開請求は、14日以内に公開しなければなりませんが、2週間いっぱいかかることもままあり、さらに延長されることもあるため、議会質問に間に合わないことも多くあります。
話を戻します。
私は、内部調査報告書だけでは実態が明らかになっていないと感じ、情報公開請求を行いました。
そのうちのひとつが、「決裁文書のログ」です。

海老名市では、起案や決裁を「文書管理システム」で行っています。紙を打ち出し、ハンコを押す方法ではなく、パソコン上で行っています。
そのため、システムの記録(ログ)が残り、実際に作業をした日がわかるようになっています。
左の写真が決裁文書のログの写真で、右側が起案用紙です。
左の写真の付箋に「交付決定」「額の確定」とあります。
左端の日付2026/05/07~2026/05/21とありますが、上二つが交付決定した日の最も早い日と遅い日です。
下ふたつが、額の決定が行われた日の最も早い日と遅い日です。
システムのログを確認すると、
補助金の交付決定した日は2026年5/7~5/15
申請者が提出した実績報告書に基づいて金額を確定した日は2026年5/19~5/21
になります。
しかし、市の内部調査報告書では
補助金の交付決定した日は、3/18「付」
補助金額を確定した日は、3/31「付」
となっています。
3月18日に交付決定が行われため、申請書類に添付していた領収書等もそれにあわせて改ざんされたようですが、そもそも交付決定が3月18日というのが虚偽の日付だったのです。
調査報告書作成時でも、交付決定日が5月に入っていてからだとわかっていながら、明らかにしなかったということになります。
財務部長は「隠ぺいするつもりはなかった」答弁しましたが、隠していたことは事実です。
市長室長は、聞かれたら答えているーと言っていますが、すべてを明らかにするのが調査報告書であり、情報を出すか出さないかの裁量は、不適切事務処理を組織的に行った市側にはないはずです。
この期に及んで、情報を出さない姿勢は不誠実であり、すべてを明らかにしようとしていないと言わざるを得ません。
▼交付決定は年度内にしなければならない
実際の事務処理日(決裁)は、5月に行われていたにもかかわらず、「3月18日」という虚偽の日付を使ったのは、交付決定は年度内に完了しなければならないからだと推察されます。
一般質問で、財務部長はそのことを認め、年度を超えた「出納整理期間」(会計年度終了後の4月1日から5月31日までの2か月間に、前年度分の入金と出金ができる期間)の交付決定は不適切であると答弁しました。
不適切であると知りながら、事実を明らかにしようとしていないことこそ、海老名市の根深い問題であり、この問題が終わっておらず、調査をしなければならないことを裏付けていると思います。
そして、行政職員なら、「出納整理期間」の意味も、年度を超えた交付決定はしてはいけないこともわかっているはずです。
わかった上で、「3月18日」という嘘の日付でつじつまを合わせ、会計管理者も、文書法制部門も、不正な事務処理と支出を止められなかったことを、重く受け止め、真摯に向き合うべきです。
▼押されてしまった公印
市の内部調査報告書には、「公印を押した」部署の責任問題については一切触れられていません。
「3月18日付」の文書が5月中頃に回ってきたにもかかわらず、文書法制課は公印を押しています。
法令に最も明るく、厳しいチェックをするはずの文書法制課が、5月中に文書が回ってきたにもかかわらず、3月18日付で公印承認をして、押印しています。
私はこのことを問題視して、質問すると市長室長は行政文書管理規定では「緊急の場合は、起案文書によらずに決定ができる」と答弁しました。
これでは、今回のケースは緊急であり、起案文書は後回しで決定した―と聞こえます。
しかし、実際は9月25日の決算委員会の中で(森議員の質問)、今回のケースは「緊急の場合と認識していなかった」と答弁しました。
当局側のその場しのぎの答弁が目立ちます。
公印を押すという行為は重いものであり、その責任についても明確にする必要があると思います。
▼補助金支出に問題がなかったと言えるのか?
そもそも市は、事務の遅延がなければ問題なく補助金は支出できたと答弁しています。
しかし、補助金要綱の補助条件に「災害時協力車両の登録」と明記されているにもかかわらず、2026年3月31日現在で、登録車両はわずか2台。
さらには、対象年度以外の車両や、下取り価格を引いていない車両など、不正なものがあり申請書類のチェックができていなかったのです。
要綱に照らし合わせれば、補助要件を満たしていないものが多くあり、問題なく補助金が支出できたと言うことに無理があります。
先ほども書いた通り、対象年度ではない車の購入を補助金は申請できないと言えなかった背景をしっかりと調査しなければなりません。
職員が、法令を遵守し、公正な判断ができるようにするためにも、内部調査だけではなく、もっと踏み込んだ調査が必要です。
情報を整理し、更なる調査を

上の写真は、涼風の会で事実関係を整理したものです。
市の調査報告に書かれておらず9月議会で明らかになったことが多くあり、改めて調査報告書を出しなおすことを求めています。
しかし市は、調査報告書はすべてを書いているわけではない、聞かれてたら答えていると開き直っています。
交付決定日や額の確定日が実際の処理日と違うことについて質問しても、『「3月18日」とは書いていない「3月18日付」と書いている』という、ふてぶてしい態度です。(9月25日経済建設分科会ありい議員の質問答弁)
調査報告書に「3月18日付」と書いていたら、誰もが3月18日に交付決定したと思うはずです。
“付”と書いているから、本当は別の日に違いない、年度を超えているに違いないーーと思う人がいるというのでしょうか。
報告書に事実を記載しなかったことを詫び、第三者を入れて徹底調査をすること、それが今できる海老名市の誠意ある対応であると思います。
議会の調査権を使った「100条委員会」の設置なども模索していきたいですが、どうなるか…
でも、できることをやっていきたいと思います。
9月30日には、再発防止に向けた取り組みについて、市から説明があります。
繰り返さないためにも、徹底調査が必要です。
終わらせないように、引き続きチェックし、発信していきたいと思います。